一九六六年七月、北海道の市町村史研究のために、会員相互の連絡提携をはかることを目的として北海道史研究協議会が発足しました。
以来本会は、古文書解読講座をはじめ市町村史研究の交流会や講習会の開催、会報の発行、研究や史料情報の交換などの事業を全道的に展開してきました。会員はさまざまな地域にありながら協議会に参加し、個個の研究を深め蓄積して参りました。そして今年は、本会創立四十周年を迎えることとなりました。
四十年の歳月の中で本会のたどってきた歩みを整理し、研究成果を総括することは、地域の一文化団体としてもそれなりの意義のあることと思います。
顧みますと、創立から長い間本会の先頭に立って会員を指導された初代会長高倉新一郎先生をはじめ、多くの先輩から賜った学恩はたいへん大きいものがあります。我々にはそれを引き継ぐと共に、さらにそれを発展させる責務があります。このたびの機会に、とくに会員の新しい研究成果をもりこんだ論集の刊行をするゆえんであります。
以上、やや大げさな言い方になりましたが、ともすれば変転する世情に埋没しがちな地方の時代の正確な認識のためにも、ささやかながら私どもの四十年の歩みや、北海道の歴史と史料についての諸研究がお役に立てば、幸いこれに過ぎるものはありません。
ここに、『記念論集』の収録内容を列記して大方のご参考に供し、併せて関心をお持ちの多くの方々の本書ご購読をお願いしたいと存じます。
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